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まほろば 奈良教会長コラム

令和4年12月度 ご法話を学んで

2022.12.1

【佼成12月号】

(朗読 MP3)



新年次の令和5年度がはじまりました。
「私たち会員の信行方針」とし
会長先生よりお示し頂き
『皆共に、日々感謝で目覚め、
元気で生き生きと精進して参りましょう。』
という一説を私は、特に注目しています。
そのような精進を年度の初めに
決定して参りたいものです。

今月も12月号佼成
「人さまと、ともに幸せに―六波羅蜜」
は5年次の信行方針の軸になるような
ご法話でもあると思いますので、
あわせて学ばせていただきたいと存じます。

前項「煩悩即菩提(ぼんのうそくぼだい)」
の文頭にある、必要以上に欲をつのらせて貪る心
・自分勝手な思いで他を怒ったり憎んだりする心
・道理を忘れて自己中心の欲や怒りに
根ざした考えを正しいと思い込む心などを
貪瞋痴(とんじんち)とも言いますが「煩悩」
これらは自分自身の苦悩の種といえるものです。

しかし、そのような苦悩の種である煩悩が
あるからこそ人格向上を目指すことになり、
生老病死という逃れられない苦悩に迷うことを
切っ掛けに真理を求めようとすることに
つながると受け止めると、
私たちは、煩悩をより良く生かす智慧、
本当の意味でみんなが救われる教えに
出会えたといえるのでしょう。

このことは、煩悩を持っている、であろう
すべての人が幸せになれる教えであることと、
そのことを実感するには仏さまのような
心もちになる行動を目指す生き方が
重要なのだと受け止めています。

その心の置きどころが六波羅蜜という
今年一年のご法話から学ぶことができた
「利他」であり、ある辞書を引くと
“人々に功徳、利益を施して救済すること”
とあります。

今年一年間のご法話にも多くの利他が
散りばめられていますので、
今年を振り返る意味をもって
読み返しては如何でしょうか。

前項の利他を私たちは朝夕にも
口に出して唱えてもいます。

それは、普回向と三帰依に顕されており、
その心は『みんなと一緒に幸せになろう』
という願いを自身の行動規範にして、
より良い人生の誓いを立てているとも言えます。

後半にある一例から、
私は病床にあってもみんなの幸せを
願うことができます。

その願いを叶えようとする心を仏さまは
きっと見届けて下さるのではないでしょうか。

また、その事象に向き合った貴重な体験は
同じように苦しんでいる方々に
希望の光を見出す力にもなるのでしょう。

先日、ある学生部員さんが
教会に参拝されたときに、
食事が食べられない苦しさと食事が
食べられる喜びを体験したことを
分けて下さいました。

私も体験がありましたので、
一瞬ですが気持ちを共有できたように
感じました。

その後も、拝見するに人の
お役に立とうとしてくれているようです。

この体験も学びとするお手配であった
有り難いことと捉えております。

結びに当たり、今
年は多難な年であったといえましょう。

皆さまもその状況を受け入れるに
様々な苦労や負担もあったことと存じます。

しかし、この状況を受け入れたそのおかげさまで
出来るようになったこともあります。

その出来るようになったことを
伸ばしていけばこの多難な一年を
意味のある期間とすることができるということも
教えて頂いているように思います。

更に、日本の文化には
歳をあらためるという心があります。

来年は奈良教会発足50周年を
お迎えすることとなります。

この貴重な一年をこころ新たに、
明るく元気に新年をお迎えさせて頂きましょう。

合 掌

立正佼成会 奈良教会長 中村浩士拝