立正佼成会 奈良教会 > まほろば 奈良教会長コラム > 令和四年二月度 ご法話を学んで

まほろば 奈良教会長コラム

令和四年二月度 ご法話を学んで

2022.2.1

令和四年二月度 ご法話を学んで

【佼成2月号】

(朗読 MP3)

令和四年二月度 ご法話を学んで



日々ありがとうございます。
寒修行お疲れ様でした。
皆さまは寒修行をどのように
お取り組みになられたでしょうか?

満願成就できましたか?
または、ご自分の目標には
物足りない結果でしたでしょうか?

その中でも、それぞれに努力を
実感されたのでしたら幸いなことです。
さて2月の佼成ご法話『お金を貯める。
お金を使う―布施②』から皆さんと
共に学ばせて頂きたいと存じます。

前項「布施は慈悲心のあらわれ」にて、
2月は仏教三大行事のひとつ
涅槃会ですが、
お弟子に託された言葉から、
釈尊はただただ人びとの幸せを
願われているお心と、
それを裏付ける成道以後の布教伝道
(悟りを得られて以降)
は利他(人々の救済の為に尽くすこと)
に生きることは釈尊の布施の実践と
お示しくださいました。

それは、思いやりや慈しみという
目に見えない“心”を
目に見える布施(法施・財施・身施)
という“行為、行動”として顕された。

言わば、“具現化”されたことで、
私たちにも理解ができているのだと
思います。

その中で、財施について本来の意味を
誤解しているところがあるようです
という点からを
更に深めて参りましょう。
後項の「蓄財も仏行?」で仏教学者の
中村元先生の言葉を引かれ、
禁欲的に思われがちな仏教の世界でも、
利益追求や蓄財は慎むことではなく、
生きがいにつながり積極的な生き方は
評価されるそうです。

それこそ、お金を使う人の
心次第ということを、仏教では、
もの惜しみの心を捨てて
わかちあう大切さ
「財を得て多くの人々のために恵む人」
が称賛され、
それを【布き施す(しきほどこす)】
広く行き渡らせることで
財が生きることこそが、
本来の「布施」の意味だと仰っています。

更に、「経済」という言葉は
「経世済民(世を経め民を済う)」
に由来していますから、
経済の基本は貧しい人や
苦しむ人などとわかちあうこととも言え、
ルールに則った正しい働きであることは
前提のことなのでしょう。

ちなみに今年は参議院選挙がありますが
先のことからも尊い国民の税金を
活きたお金として活用して頂けることも
期待しているのは
私だけではないでしょう。

現在、日本のみならず
世界で起こっている危機や問題によって
人間の活動の見直しが
求められています。

そのカギこそが「利他主義」だとすれば
私たちにとって日ごろ教えて頂いている
菩薩としての生き方であり、
他者とわかちあう利他の精神の
必要性を理解しているわけであり、
国や企業や様々な組織に
利他的に連携して、
明るい未来を築こうとする考えは,
すべてのものは根源的に
一体であるという
『自他一如』と重なります。

私たちの周りの出来事も、
世界で起こっている問題も
一体だと受け取ると、
まず私から周りの出来事に対し
利他主義の実践を
心がけて参りたいと存じます。

その中で、皆さんの尊い布施を
お預かりしている教会としても、
何に重きを置くのか、
何を優先すべきなのかを、
問うてくださっています。

最後の問いに対して、
令和4年次の奈良教会の実践目標は
【法(教え)の実践で
斉家を目指す人財育成と
即是道場の精進】
とさせて頂いています。

特に斉家を目指すうえで大切なことは、
《教えの生活化》です。

会長先生は年頭ご法話で現実に
家庭を斉えるには
「ご宝前を中心にした生活」と
「三つの実践」
(家庭で朝のあいさつをする。
人から呼ばれたら「ハイ」
とハッキリ返事をする。
履物を脱いだらそろえる。)
が重要と教えてくださいました。

更に即是道場とは、その実践をいつでも
どこでも、どんなときでもチャレンジ
していこうとする気概を
持ち続けることを精進として
参りたいものです。
合掌
立正佼成会 奈良教会長 中村浩士拝