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まほろば 奈良教会長コラム

令和二年七月度 ご法話を学んで

2020.6.29

皆さま、日々ありがとうございます。
新型コロナウイルスの
緊急事態宣言解除からの
自粛要請も全国的に解除され、
移動制限も解除され県をまたいだ
移動も可能となり
観光地への国内移動の様子などの映像を
目にすることが多くなってまいりました。

それも、感染リスクを前提とした、
《新しい生活様式》の確立を
余儀なくされている中ですが、
奈良教会の会員各位におかれましては、
より良いご自身、より良いご家庭、
並びにより良い世界を目指して
努力精進して下さっていること
改めて感謝申し上げます。

現在、奈良教会では布教活動再開に向けて
五段階の目安をもって第二段階での
対応とさせて頂いております。

更に、七月一日を機に第三段階へ移行し
徐々に布教活動再開に向けて
進んでいく予定です。

ここに到るにあたっては
教会幹部並びに会員の皆様の
ご協力ご精進のおかげ様でありますが、
再開如何の進退も今後の
我々一人ひとりの行動に
よるところであることはご理解の通りです。

今月も会長先生のお心をしっかり
受け止めさせていただきたいと存じます。

さて、今月は『いま、自分にできることを』
と題してご法話を頂戴しました。

前項の、『菩薩として何を願い、誓うか』
では盂蘭盆会(うらぼんえ)の月である
七月にご家族がお集まりになり、
そろってお参りをすることは、
現状では難しいわけですが、
【仏心:一切衆生を救うの心】
私たち会員にとってこの、
仏心の発揮の機会を頂戴したものとも
受け止めることが
できるのではないでしょうか。

会長先生は
「いま世界中に広がっている病気によって
苦しむ人たちに心を寄せ、事態が早く
終息に向かうことを願うばかりです。

一人ひとりが、自分にできることは何かを考え、
それを日々、粛々と
実践していきたいと思います。」
とお示しいただきました。

そこで引き出して下さいました
《従地涌出品の一節に登場する
「地涌(じゆ)の菩薩」》
実践をとおして「すべての人を救おう」
という無数の菩薩たちの願いと誓いによる実践を
私たちに投げ掛けて下さっていることを踏まえ、
地涌の菩薩の代表である
四人の菩薩の願いと誓いである
《四弘誓願(しぐせいがん)》
を私たちの生活に実践できるように
禅宗の松原泰道師の表現をもって、
お教え下さいました。

①衆生無辺誓願度
・・・身近な人に奉仕(布施)をしよう。
②煩悩無数誓願断
・・・足もとのごみを一つ拾おう。
➂法門無尽誓願学
・・・一日に一つ、教えを学ぼう。
➃仏道無上誓願成
・・・永遠の路を一歩一歩ゆっくり歩もう。

以上の四つの誓願から、私たちの一人ひとりに対して、
誓願をもった日々の大切さを
改めて問うて下さったように存じます。

私の身に近いところから始めようという優しさと、
合わせて必ず実践するという決意を持つ
厳しさを自身に課して参りたいものです。

後項では『いまが「習学」のチャンス』において、
先にありました《四弘誓願を参考に、
自分にいま何ができるかを考える人は、
いうまでもなく仏の教えを信じ、
実践する志のある人であり、
それは仏と同じ心になっているということ》では、
「仏さまのようになりたい」
という気持ちを起こしたとき、
すでに仏の心と一つになっていると
お教え下さいました。

それを「一体不二」「凡聖不二」
という言葉と共に、そもそも私たちに
教えの尊さがわかる理由は、
「すべての人を救いたい」
という尊い願いがあるから、また、
人間として命をいただいたことは、
仏と同じものを具えているということ:
それを信じることが信仰であり、
信心であるとご指導いただきました。

日ごろ、私たちは信心を高めることを
第一義として修行精進させて頂いておりますが、
どうにかすると、だれかが何をした。

何がどうなった。など事柄に振り回され、
自身を見つめることは、
後回しにしていることが多くあり、
場合によっては、
自身の高まりを気にすることもなく、
人を変えることばかりが
目的になっていることがあります。

それについて、会長先生より「いままさに、
自分の信仰のありようを振り返り、
日々の実践という「習学」の
繰り返しをとおして、
菩薩の自覚を高める
いい機会なのかもしれません。」

とのお心を学び、周りを見回してみますと、
自粛というどちらかと言えばマイナスのように
聞こえる状況でも、コロナ禍前の雑多な日々に
流されがちな時間ではなく、
仏さまと私という心安らかでゆっくりとした
貴重な時間であることに気がつきました。

そのように感じると、自粛によって
しばらくお目にかかれていない方々との
再会が楽しみとなります。

皆さまが、この期間に
どのような努力精進をされたのか。

また、どのような喜びや悲しみを
感じられていたのか。

更には、仏さまの智慧と慈悲を感じるような
貴重な体験をされたのか。

というたくさんのお宝に出会えることが
布教活動再開後に待っていると思うと
心待ちでなりません。

最後に、「またお目にかかりたい」と
思わせられる方とは、
「神仏などを尊び敬う心が強く、
一方では苦しみや悲しみの底に沈む人を
常に思いやる、情愛あふれるという点」
をお示し下さいました。

それを私は、何事も謙虚に受けとめ、
頭に浮かんだ方にこちらから
お声がけしてみようと、
受け止めさせて頂きました。

その実践を繰り返すことから、
いつもこのような自分であるか?

また、なろうと努力しているか?
を再度、自身に問いかけつつ
精進して参りたいものです。

ご法話を学ばせていただき、
この先すべてにおいて
コロナ禍前の状態に戻るということは、
時を巻き戻すことが出来ないのと同様に
難しいことは皆さまもご理解の事と存じます。

しかし、コロナ禍の体験も、
法華経に教えられている柔軟さと創造性の
発揮を求められているものと考えますと、
会員の皆様がこれまでに積み上げられた
教えの発揮のチャンスであると
受けとめることができます。

改めて因習にとらわれず変化に
対応していく意識をもって、
新たな自分づくりを元気に皆様と共に
努力精進させて頂きたいと存じます。

皆さまどうぞよろしくお願い申し上げます。

合 掌
立正佼成会
奈良教会長 中村 浩士

 

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