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まほろば 奈良教会長コラム

平成三十一年四月度実践目標

2019.4.3

「徳分」に気づけるように、素直で謙虚な人となろう

 

日々ありがとうございます。

四月一日には新しい元号が発表され、本当の意味で「平成最後の・・・」という言葉も大詰めとなりました。皆さまは新たな御代を迎えるこの時期をどのようにお過ごしでしょうか。

 

この平成という時代は、災害など大きな被害に見舞われるという、想像もしなかった事態におかれることもありました。しかし、戦争という先の悲劇に学び、大きな惨禍を招くことの無かった時代を共に過ごすことができました事は、何にも変えがたい大変幸せなことであったと存じます。この機会を踏まえ、新たな御代には更なる平和な世界を目指した精進を共に歩んでまいりたいものです。

 

今月は、『香る風のような人に』と題して、会長先生よりご法話を頂戴しました。

生きとし生けるものすべてに活力が芽生え、寒さを越えた喜びを大いに発揮する季節の風によって春の訪れを実感することができるなど、いろいろな始まりを予感させるこの頃ではないかと拝察します。

 

そこで、会長先生より前項『心に香風がふきわたる』では法華経「序品」の「栴檀の香風 衆の心を悦可す」の一節をお示しいただき、開祖さまのご解釈から「仏さまの香風が衆生の心の中に入ってくると大歓喜が生じる」というところから、その教えを聞き、学び、実践していくことで、自身の価値観が自己中心性の受けとめ方であったことに気がつき、ほんとうに大切なことに気がつくことが、救われた実感であり、その気持ちは「大歓喜」であり、「悦可」していることと教えて頂きました。

 

後項『みんな「徳のある人」』では、人の心を「悦可」するには「徳分」が必要だと言われることが有り、その為には、自己の努力による善行の積み重ねが大事であるところも押さえてくださいましたが、私たちが今、現在尊い生命を授かっているには、大自然の徳をはじめ、まわりのありとあらゆる豊かな徳を具えているからこそ、気づき、それを成長させれば、だれもが香風を運ぶ「徳のある人」になるのだとお示しくださいました。

 

この度のご法話を学び、私は、心地よい雰囲気や世に言うオーラのように、その人が纏っている内面から醸しだすものを香風と表現して下さったのではないかと推察します。この人の傍にいるだけで心が癒される。あの人に出会うだけで嬉しくなる。などの体験をみなさんお持ちの事と思いますが、私もそのような香風を運ぶ人になれるとしたら・・・いかがでしょうか?その具体的な様子が、【何ごとにも感謝を忘れない素直で謙虚な人】であり、その香風を運ぶ人が、《明るく、やさしく、温かく》発する態度や言葉は、持ち前の徳をいっそう香らせ、この春の麗らかな風のように周りの人を憩わせるのだと受け止めさせて頂きました。

 

このことを踏まえ、あらためて、お釈迦さまのお生まれをお祝いする降誕の月である四月を以って、新年度を新たなスタートとして共々、切らせて頂きたいものと存じます。

最後に、現在各地で第一九回統一地方選挙が行われております。それぞれの地域のかじ取りを担う方をお選びする機会でありますが、今後の行く末を考える機会とも、とらえることができます。各地に香風を運んでくださいます方にお任せできるように、ひとり一人がよく考えての投票行動をお願い申し上げます。また、お出会いの方に香風を運ぶ、働きを目指して元気に共々修行精進して参りたいと存じます。

合 掌

奈良教会長 中村 浩士