まほろば 奈良教会長コラム

平成27年9月度実践目標

2015.9.1

本尊のはたらき(三法印・縁起)を
体得できるまで思いやりの実践を徹底し、
一体感を味わおう!



今月の会長法話のテーマは
「私たちは 宇宙と一つ」です。
 会長先生は、次のようにご指導くださっています。

・人間の体を構成するすべての物質は、
寿命の尽きた星が大爆発を起こしたときに
宇宙空間に飛び散った、
その星のかけらだといいます。
私たちは、いわば星のかけらで
できているというのです。

約百三十七億年前に起きたビッグバン
という現象が宇宙のはじまりといわれますが、
宇宙研究によってこれまでに
解明されたこうしたことを、
理論物理学者の佐治晴夫先生は
端的にこう述べておられます。

/ 
 「『すべては、ひとつのものから始まった』
ということでした。
そうであれば、すべては、ひとつのものから、
枝分かれして生じてきたということですから、
『すべては互いに関わりあっている』と
いうことが言えるでしょう」

/
このような知見にふれると、
私は釈尊が説かれた縁起の法を、
またあらためてはっきりと
理解させていただける思いがします。

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中国の儒学者、陸象山が
「宇宙内の事はすなわち己が分内の事、
己が分内の事はすなわち宇宙内の事なり」
といったり、道元禅師が
「尽十方世界・自己の全身」
といった言葉を残していたりするのも、
宇宙と自己の関連を直観的に
見通していたからでしょう。
本尊のはたらき(三法印・縁起)を
体得できるまで思いやりの実践を徹底し、
一体感を味わおう!

 ・仏教には「一切衆生悉有仏性」
「草木国土悉皆成仏」
ともありますが、つきつめればこれも
「縁りて起こる」
「すべては関連している」
ということで、先の科学的な知見は
こうした釈尊の教えや先人の
言葉を裏づけるものです。

・宇宙ステーションから地球を
撮影した写真や動画を見ると、私は
「こんなに美しい星で、
なぜ人は争うのだろう」
という疑問がわいてきます。
人間だけでなく、 
すべての存在が関連していて
生まれてきたというのに、
その兄弟姉妹が
お互いに傷つけあい、
生命を奪いあう愚かさを省み、
それを抑止できないことに
対する慚愧の念にかられます。
とくに大事なことが、
つぎの一節にこめられています。

 「他は他であるがそれがそのまま
『己れ』として感ぜられ、
その喜びも悲しみも
『己れ』の喜び『己れ』の悲しみ」

「大宇宙にいかなることが有っても、
そのことごとくが、
自分自身の問題である」

こうした一体感を覚えると、
なんともいえない厳粛な感に
打たれずにはいられません。
 ・私たちは、宇宙と一つ、
真理と一つ、そして他も「己れ」。
この「一つ」ということ胸に刻み、
私たち一人ひとりが日々思いやりを
もって人と接するとき、
それは世界平和の種となり、
美しい地球の未来を創造する肥料と
なることでしょう。