まほろば 奈良教会長コラム

平成25年11月度 実践目標

2013.11.2

『開祖さまに倣って 「頼りにされる人」をめざして精進しよう』

今月は、開祖さま生誕会の月です。開祖さまは人から頼りにされる方だった。世界宗教者平和会議の開催に向けて苦心されているときも、ふだん周囲にトラブルが発生したときも、それらを肯定的にとらえてつねに明るい展望を描き、プラスに転じていくリーダーシップを多くの人が頼もしく思われた、と聞かせていただきます。

ところで、こうして人から頼りにされる「鍵」は一体どこにあるのでしょうか?

会長先生は次のようにおっしゃっています。

・法華経の観世音菩薩普門品に世間や人びとを観る観音さまのまなざしを讃え、私たちに「これを手本としなさい」とうながす「五観」があります。

「真理を通してこの世を観ると、我や執着のまじらない澄みきったものの見方ができ、そのことによって、すべてが仏のいのちのあらわれであり、何を見ても、だれに対しても自他一体と思えます。すると人の苦しみはわが苦しみとなり、その苦をとり除いてあげたいと願わずにはいられなくなると同時に、一人でも多くの人を幸せにしたいという気持ちがわき起こるのです。このような眼(まなこ)を得たいと願い、観世音菩薩を仰ぎ見て、手本としていきたいものです。

・人にものを頼まれたときにいやな顔をせず、笑顔で「はい」と言ってさせていただく。そのような身近なふるまいのなかに「五観」の働きが認められると思うのです。そうしたことを自然にできる人は、おのずと多くの人に信頼されることでしょう。

・リーダーの資質に、信念を貫く気概や、ものごとを明るく肯定的に受けとめることがあげられますが、見方を変えると、それは頼りにされる人の資質といえそうです。

・ただ、人から頼りにされるというのは、都合よく人に使われることを意味する場合もあります。「母親は もったいないが だましよい」という川柳があります。母親からすれば、子にだまされていると知っていても、それを受け入れることを厭わない。三人の子どもがいたら、それぞれに三分一ずつではなく、持てるすべての愛情を一人ひとりに注いでいくのが親心というもの。乳飲み子が母親に絶対の信頼を寄せるのは、おそらく、その親心が子に伝わるからでしょう。

・人から頼りにされる。その鍵は、いつでも人を思いやる親心にあり、それはまさに観音さまの慈悲と重なります。

今月は、開祖さまに倣って、人から頼りにされる人になれるよう、頼まれごとを素直に感謝して受け容れて人を喜ばせる練習を精一杯させていただきましょう。