私には三人の兄がいます。
三月の末に真ん中の兄が突然亡くなりました。
数年前に離婚をして子供たちとも離れ
一人生まれ故郷に戻って誰にも看取られることなく
寂しい孤独死でした。
18歳で田舎から大阪へ出て就職、
結婚と生き抜いてきた兄の人生は
いったい何だったんだろう?と思うと
私は心が深く沈んでいき辛い悲しい気持ちになります。
兄はまだ20歳にも満たない若い柔らかい素直な心を
持ち合わせていた頃に社会党の思想に触れ労働組合の
運動を通して社会に役立つ生き方を探していました。
たまに実家に帰った時には主任として
人さまのために一生懸命に功徳を積んでいた母とは
意見が合わず2人でしばしば激論を交わしていたのをおぼえています。
佼成四月号を読ませて頂き
信仰の基本中の基本は自分の命の尊さと
人間として生まれた有り難さを知ることと教えて頂きました。
生き方は違うかもしれないけど
兄は兄なりに労働者やその家族の幸せのために
生きてきたのかもしれないと少しずつ思えるようになりました。
私は両親、サンガのおかげさまでこの教えに出会い、
生老病死などこの世の真理(無常と無我)を見据え
ありのままを素直に受け入れて他者と調和していくのが
真実の人間の生き方です。
と教えて頂いていることに改めて感謝させて頂きます。
兄がいなかったら今私はこうして尊い命を頂いていません。
兄はいろいろと辛い苦しい人生だったかもしれませんが
精いっぱい生きて来たんだ!!と
兄の人生を思いやり温かい気持ちで供養をさせて頂きます。
ありがとうございました。
合掌
西大和支部長 吉田祐子
万陽だより
4月 支部長コラム
2025.5.13