まほろば 奈良教会長コラム

平成28年5月度実践目標

2016.5.1

平成二十八年五月度実践目標

手どりの「縁」が、すべてを生かす心ばえとなって

ワクワクする にぎわいの 「青年の日」に!

 

若葉の季節となりました。今月は、第47回「青年の日」が、開催されます。たくさんの青少年が、世界の平和実現のために具体的な菩薩行を実践する月にしたいと思います。

会長先生のテーマは、「持ち味を発揮する」です。次のようにご指導下さっています。

 

・大根、はんぺん、がんもどき、こんにゃく、ちくわに昆布に玉子・・・・・。

少し、季節外れかもしれませんが、持ち味という言葉を聞くと、私にはなぜか、鍋のなかでおいしく煮えるおでんが思い浮かびます。一つの鍋のなかで、具材が相互に味を引きだしあいながら、しかもそれぞれが持ち味を発揮する。そこには、私たちの社会や一人ひとりの生き方に通じるものがあるような気がします。

ところで、持ち味や個性というとき、私たちは多くの場合、個々の際立った能力や力量をさすようです。もちろん、それも加味されていいでしょう。しかしそれだけでは、とりたてて才能といえるものがない人に持ち味や個性はないということになってしまいます。何が自分の持ち味なのかわからず、自分に自信がもてないとか、自己肯定感が低いと悩む人の多くは、持ち味や個性のとらえ方に迷うあまり、思い詰めてしまっているのかもしれません。

自分のことを知りたければ、まず外に出て、人と交わったり、一緒に体を動かしたりするといいといいます。すると、自分がほんとうに好きなことや自信のもてる何かが見つかるのです。「持ち味は縁によって開く」ということです。

さて、ここで再びおでんの話に戻りましょう。おでんの具材には、いずれもそれほど強い味や香りがなく、おおむね淡泊なものです。ところが、ひとたび鍋で他の具と一緒に煮られると、はんぺんならはんぺんのふんわりとした食感が生き、大根の甘みが引き立つなど、それぞれの持ち味・個性がいかんなく発揮されます。個々の持ち味は、やはり、「縁」によって開かれる部分が多いといえそうです。

 

・能力や才能だけでなく、私たちも花のように、そこにいるだけで持ち味を発揮している~

そのような一人ひとりであることを発見するのです。そしてその気づきによって、自己評価はもちろん、他の人を見るときにも「友であるだけで嬉しい」といった豊かな見方ができるのです。それは、たとえば単に短所を長所と見るような、いわばテクニックではなく、短所も長所も含めて「あなたは大切な人」と称え、すべてを生かす温かなまなざしです。そして持ち味とは、詰まるところ心ばえが生みだすものですから、そのように見る素直な眼、心を具えていることが、私たち人間本来の持ち味だと思うのです。社会という鍋のなかで、自他の持ち味引き出す決め手はダシといえますが、それは明るさとかやさしさとか温かさだと思います。ただし、ダシの旨みをいつも利かせるためには、日々の精進が欠かせないのです。