まほろば 奈良教会長コラム

平成26年11月度実践目標

2014.11.3

「ご縁を水の流れのように素直に受け入れ、心の器を大きくしていこう」

今月は開祖さま生誕会の月です。求道の心得として、「師を求むるにあらず。師の求むるところを求む」と教えていただきます。開祖さまが求められた「すべての人が救われる」とは、一体どのようなことだったのでしょうか?

今月はこのことについて会長先生がご指導くださっているように思います。

・事の大小や軽重(けいちょう)などの思いをもたず、なにごとも素直に受け入れることで、一つ一つの「自我」(じが)をとり去ることになり、心の器を大きくしていけます。

 

人生において自分の思いや力がおよぼす影響はゼロに等しいともいわれます。縁起(えんぎ)、つまりあらゆるものとの関係によって人生は成り立ち、ふれる縁しだいでどのようにも変化するのですから、たとえみずから選択する場面があったとしても、それも縁の作用の一つ、大いなる「はからい」の世界といえそうです。だからこそ、めぐってきたご縁は、水の流れのようにさらさらと素直に受け入れていくことが自然です。

・厳(きび)しい現実やつらく悲しいできごとはなかなか受け入れられないものですが、法華経(ほけきょう)に「諸仏の法是(かく)の如(ごと)く 万億(まんのく)の方便(ほうべん)を以(もっ)て 宜(よろ)しきに随(したが)って法を説(と)きたもう」とあるとおり、仏さまはそれぞれにふさわしい方法で説示(せつじ)してくださっているのです。

そのことがわかれば、たとえ苦難に見舞われても、また大役を任されても、それらはみな学びの機会ととらえることができ、前向きに受け入れられるでしょう。

・ただそういうときにはできれば明るく素直に受けたいものです。お椀(わん)を上向きに開くように心を開いて受け入れると、心は明るく豊かになりますが、それを伏せてしまうと心も閉ざされてしまいます。

・日常生活においては、いつでも、「はい」と答える素直さが大切です。

「はい」という素直な返事は、あれこれ考える小さな自我を超えた、本来の仏性(ぶっしょう)そのものといえるからです。

 今月も、一見不都合と思える目の前の人や目の前の出来事とのご縁がめぐってきたら、「×」にして拒否するのではなく、仏さまのはからいに悪い事があるはずがない、「○」しかない、と信じて、さらさらと浅瀬を流れる水のように、素直に受け入れ、心の器を大きくし、心を明るく豊かにする練習をさせていただきましょう。